気仙沼の漁港です。なんと大きなクレーンでしょう。つり下げているのはマグロはえ縄漁船。長さ60メートルもあるそうです。
3時間かけての作業でようやく海へ戻されました。
漁の再開への大きな1歩です。
地元の元漁師さんと話をしながら見ていましたが、作業も終わったので帰りの準備。
「ちょっと急いでんの?」
「少し話、聞いて行ったらいいっちゃ〜。」
私でよければもちろんと言うと、「誰だっていいの!一人で話できないの!寂しいんだよ!」
気仙沼には多くある昔ながらの家は、外にお風呂とトイレがあります。
震災の被害でだめになっても居住域に入らないため、全くの保証外だそうです。
「60歳をとっくに超えて仕事もないってのに、どうやって生活しろっての!」
「支援物資の洋服だって、最近ようやくやっともらったブランド品。(とあるスポーツメーカーのジャージです。)」
「何とかしないと孤独死する人いっぱい出てくるよ!避難所にそういう人いっぱいいんだよ。
ほんとに寂しくて、死んじゃうよ。」
「おれは以前マグロ漁船に乗ってたよ。1年戻んねんだよね」
と最後にはマグロの食べ方まで教えてもらいました。
つらいのはみんな同じだからと誰もが我慢し、ため込んでいて言えない事ってたくさんあるでしょう。
プロのカウンセラーなどではなくとも、話相手になれる人が必要になってくるかもしれません。
途中もう一人、元漁師さんの友人が参加し、威勢がよく見えるのですがちょっと違いました。
「震災からずっと、しゃかりきにやって来たけどよ、もう限界だ。
疲れちゃってさ、1カ所片付けたらもう1日なんも出来ねーよ。今日はこれからばあさんのカウンセリング」
気が張っていてここまで何とかやり過ごして来た人たちも、相当の疲れとストレスが出はじめています。
特にこれからの季節、梅雨入りとともに憂鬱な時期が心配です。
水害もそうですが、内にこもりがちになる日々は大変です。
なにか特技があればいいけれど、私はこれといってなにもできません。
だからお願いです。
歌が歌えたり、芸がなにかできるひとはこれからもぜひ東北に来てほしいのです。
ボランティアも随分減ったそうです。
出遅れたなんて思わずに、これからこそ、よりたくさんの力が必要なのだと思います。